なないろの架け橋から
ダムが嘔吐している
あじさいが
潤んだ目を擦り合わせ
ねむたげな林道
葉うらで演奏される口琴
耳をすます野池
水面の波紋に
意識が吸い込まれ
蛙の呼吸に同調した ....
まつげが
長いから
ほかのひとよりも
うす暗い世界で
生きている
ときどき はっ として
息をとめている
チェリーを吸ってた
女の子
思い出すように
生きるから
死ん ....
嬉しいことはそんなにないのに
悲しいことはいっぱいある
その悲しみはひとそれぞれだけど
だれもがその悲しみを背負い生きていく
でもその悲しみはひとの悲しみを教えてくれる
だからだろう ....
口の利けないわたしは左を指差して
魚群がそちらへ移動していく
内緒の本棚に三歳からの日記を並べ
旗を振る夕べ
トカゲたちの尻尾を踏もうと遊ぶ
シルクハットの猫とその杖
水道管を ....
病んでいる
悩んでいる
身心ふたつ
ふたつはひとつ
止んでいる
悔んでいる
雨降る悼み
涙の痛み
澄んでいる
霞んでいる
朝もやの空
初秋の大気
噛んでいる
....
仕事と寝不足
脂肪と食欲
恋愛と友情
俺の中のあらゆる紛争
人間はたくさんの不協和音の集合体で
社会はたくさんのたくさんの不協和音の集合体の集合体だ
積み木のピラミッド 一瞬で頭から崩した ....
座るきみの膝に
とうめいな猫がねころんでいて
真っ赤なりんごを撫でている
僕のじっぽんの指は
オルガンの鍵盤に載せられ
ゆるやかにだまりこむ
....
交差する
わたしは言葉を
絡ませて
たぐり寄せる
あなたを
口に含み
舌の上で転がして
奥歯で噛み砕き
身体中で一番深いところ
朝と夜の境界線が引かれた
あのなにも無い ....
懐かしいメロディ 繋がって
聞いたことないのに気に入って
でも 世に問うのは憚られ
いつも通る道に戸惑って
何もない後ろ 振り返って
また 昨日へと踏み出して
....
ねずみちゃんへ
あなたはねずみちゃんです
生まれる前も
生まれてからも
死んでも
ずっと
ずっと
あなたはねずみちゃんです
そんなねずみちゃんが
わたしは大好きです
ね ....
僕らのみている世界が正立像だなんて
根拠のない迷信なのかもしれない
大地は空で重々しく草も生えているし
空は大地で星が涼やかに流れている
僕達は倒立した空の道を車で走り回り
42.1 ....
写真立ての中の二人を楯にして
写真立ての柱の中に閉じ込めた
わあい 二人きりで 嬉しいな
能天気に はしゃぐ声
目立ちたがり屋の 二人なら
踏切の その手前
赤いランプ チカチ ....
カモミールティーを水の様に飲む
ラベンダーを鼻の奥に記憶させるくらい嗅ぐ
どこかの民族系の音楽をイヤホンに差し込む
安らぎを懸命に起こす
呼び起こす 安らぎを
それで ....
保存
何を残す必要がある。
しかしインクは買うつもりだ。
君の事が好きなんだ
眠れない夜があるよ
そんな時君を思い出すと
逆につらくって
私はただいたづらに空想に
逃げ込んだり
それだって出来ない時は
うろうろさ迷って
....
お前の手紙を見つけたぜ
お前も憶えてない手紙だ
内容は俺しか知らないし
世界で俺にだけ
寄りかかってる港だ
近く旅に出るから
段ボールに入れて
実家に送るよ
命を担保に生きるなら
命 ....
フラガナの長い雨も止んで
月と花が欠けるころ
一枚きりの便せんが
何重にもテープを巻いた封筒で届いた
何を守っているの? と思ったけれど
外国だから心配だったんだよね
8月の日曜日 ....
元気ですか?
夏バテしてませんか?
毎日は楽しいですか?
私は慣れないキャンプのあとで引いた
風邪をまだ引こずっています。
手紙をありがとう。
私のことを憶えててくれて本当に嬉しか ....
青々とした芝生
白いペンキの塗られた木造の教会
用も無いのに入り込み
環状六号線沿
歩道との間の
緑の生け垣を越え
仰向けに寝そべる
僕の視界には青い空しか見えない
誰も遮らな ....
誰かのそばにいたい
さみしさ感じないように
誰からも遠く離れていたいもうなんにも傷つかないように
こっそりと私を
押入れに隠しました
母さんに見つからないよう
襖の裏にしゃがんでます
真っ暗い中
怖くはないけど
心臓がドキドキして
飛び出す機会をうかがって
期待をこめてそれ ....
あなたの姿が網膜に結像するまえに
スペースキーを押して
戻って
あなたに出会うまえに
....
夕べに
生まれた
小さな泡が
今日に
命の鼓動を始め
明日に
いつつの指を得て泳ぐ
空に
生まれた
小さな塵が
今日に
光の鼓動を始め
明日に
いつつの指を得て泳ぐ
....
チョコレートは甘くていいの
辛い(あほか)は冗談だね
好みは舌にドスンと来る甘みだよ
それに添えて手紙なんぞあって
「愛しています」とか
あこがれだけ
でもね
のぞんでいるの
ひそか ....
わたしが物語をかたりはじめるたびにこの街には長い雨がおとずれ
る、いっそここが翡翠色の海ならばわたしたち鱗をもつ魚で、感傷
じみた肺呼吸をやめられるのですか、浸水した教会の礼拝堂で素足
のままし ....
なにをどう頑張ってもなんともならんけんや
どんなことばも恐ろしくない
言葉は棒きれのように
思いを
砕く
そうだ
名誉は得られないのだ
きっと
自分を
そこでさげすむことなく
言葉は
死んだ
自分を
何もかも忘れさせるから
....
よくなくきみがなかなくなった
あえば「だいきらい」っていってたきみが
ほんきでみらいをみつめようとしてから
ぼくのめをみてはなしてくれる
よくなくきみがなかなくなった
くちもとが ....
豊玉中まで子どもを送って
環八を南下
野方、高円寺、方南町、井の頭通りを左折して代々木へ
なんだ坂こんな坂ママチャリの旅
けど全然やせないな
腹がでっぷり
163cm 77kg
....
悪いことも良いことも
僕の感じ方一つで
違ってくるんだという
君のセリフに唾を吐いた
どうせ
僕はひねくれもの
君からの好意を邪推して
疑って撥ね除けて
素直になりますって書い ....
2532 2533 2534 2535 2536 2537 2538 2539 2540 2541 2542 2543 2544 2545 2546 2547 2548 2549 2550 2551 2552 2553 2554 2555 2556 2557 2558 2559 2560 2561 2562 2563 2564 2565 2566 2567 2568 2569 2570 2571 2572
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.25sec.