速すぎて悲しめない
速すぎて見えない
速すぎて寂しいから
速すぎていなくなった
ひとりとひとりとふたり
ふたりはふたりのひとり
あの丘に花がいっぱいになったら
どっかあそびに ....
庭にじっと佇んで
土に根を張るあの花は
いつのまに
こちらに蕾を開くでしょう
時というものが
ぴたりと止まった
{ルビ永遠=とわ}ならば――?
湖上にぽつんと浮かび ....
食卓の上に置かれた
一つの{ルビ匙=さじ}は
天井のらんぷの灯を映し
遥かな光をのせている
この右手を同じ形にして
そっと宙に、差し出してみる
目の前に、一本の棒がある。
誰も高飛びをしろとは言わない
ただ、越えねばならぬ。
向こう側に、行かねばならぬ。
誰もお前の美しい技を待ってはいない
目の前の、一本の棒を見る ....
懐には
恐るべき毒を忍ばせておかねばならない
ほんの一滴で
誰しもが息絶えるような毒を
一瓶
忍ばせておかねばならない
コルクで栓をして
いつでも取り出せるようにしておかねばならない ....
「借り物は、持ち物以上に大切に。」
子供の頃
そう叱られました。
週に1・2回
ハンドルを磨き
フロントガラスを磨き
付属ミラーを全て磨き
(事故を、起こし ....
月満ちて
生まれることなく
消された 小さな命
誕生を望まれず
悲しむ人もなく
花を手向けたくとも
この子に 墓はありません
母の胸に
抱かれることなく
消された ....
空の閉幕
地の罵声
ひと足ごとに遠のくひかり
在る風景と無い風景を
それとは知らず 行き来する水
岩が樹を喰い
樹が岩を喰い
涸れ川に落ちる
ぶらんこの街
....
タマンキは売春宿を焼け出された弟子たちと
カナリヴァのほど近くにある
ヌレヌーレ山に登り明朝の日の出に
彼らの最後の迷いをペミンテしようとお考えになられた
ヌレヌーレ山は草木一本生えぬはげ山だ ....
固まった落ち葉は
型にはまったモノ
堆肥になるには
対比が必要
退避するには
避難路が必需品
艶のある露が示す路
満ち溢れた葉の上に滴
浮遊することも忘れて
遊びたい ....
太陽は
ギラギラ輝くそして私を照らす明るく強く
充血した不可解な岩を
よじのぼる千の手の蛇
推論する多くの耳は
切除へのアカウント
吸収される0,000・・・
始まりの岩肌は貪欲で
山水占いのオーナーは
古い不十分な物知り人
術後 ....
キミだって、僕だって
人は、生まれたときには、みな泣いたんだ。
あらん限りの大きな声で
無垢の叫びで泣いたんだ。
「涙」という字は
戻る水と書くように
泣くことで、気持ちも ....
暖簾をくぐり、席に着く。
「もり大盛り」
静かに言う。
店員が厚手の湯飲みをことりと置く。
その半分を飲んでいるうちに蕎麦が運ばれてくる。
どんな蕎麦がくるのだろうか、初めて会う人を待つ ....
秋の
おだやかなひだまりを選んで
猫が
優しいけものの形で眠っている
堅いボンネットの上で
その寝顔はとても気安く
しばし駐車場で私もうたたねをする
ほんとの君の正体は
西方白虎だ ....
自分が
無から有へ
遠くからここへ
暗がりから
まばゆい場所へ
運ばれてくる
冷気を浴び
染みわたる
熱い珈琲
おはよう
おはよ
「お母さん、コンデンスト・ミルクっておいしいね!
明日もまたこれ作ってね!」
娘達が練乳をお湯で溶いた飲み物を啜りながら言う
「いいよ。
お母さんも子供の頃 これが大好きだったんだ ....
僕は逃げてきたのだ
目の前に 消えそうな夢を 見ていた
色々なことから そして
僕は いつも 逃げ続けていた
いつもの投げやりな顔で
僕は支払わされたばかりの罰則金を噛みしめ ....
121024
なにかとなにかが喧嘩して
別れ離れになったとさ
鼻歌交じりの行進曲を
半壊れのラジオで聞いている
壊れたのはケースだけで中身は壊れていな ....
尾を引く
涙目
蜉蝣
明日からまたちゃんとやる
手招く人々
ぬるい足音
響く楽園
たかが地獄
踏ん反り返って
明日をみれば
何もできそうにない
そんな感じだけど、
そう ....
銀翼連なる雲の果て
七たび往きて そのたびに
傷つき血を吐き火を噴いて
なおも折れざるかの翼
祈りたまえ 唱えたまえ
神よ神よなぜ見棄てたもう
キリエのうたう歌が、 ....
うつくしき日に
さざ波のカーテン
それは薄緑の夏のレースで
さらりとした朝の風に似合う
早朝のまどろみに
漂うきみと白いへやは
まるで溶け合っている 調和して
、きみのせかいを垣間見 ....
一週間ほど、産卵床を守り続けていた雌鮭が
力尽きて、下流へ流されていった
鮭の婚活が終わった
命から命へ
そのために、生まれてきたかのように
産卵した雌鮭は、100%、死 ....
羞恥心と
顕示欲が
屋根裏部屋で
痴話喧嘩
悲鳴と
吐息と
自分の業が
転がってって
床がきしんで
いのちがいまに
抜け落ちそう
瞳を ....
誰かが悪い訳じゃないが
行き違う人達の
手が
ささくれていただけの事。
俺が責められた訳じゃないが
少し哀しくて
すぼめた唇から
息を吐いたけど
口笛は鳴らない
歯並 ....
「コルセットを巻くのは、抱き締められる事が無いから。。」
走りながら呼吸を止めて
無心になるのを待つ。。
泣キ出シテカラデハ/何モカモヲ/壊シテシマイソウデ
「背中に、両腕を ....
なにがほんとうか分からなくなっていた
夢のなかで見たことなのか
現実に起こっていることなのか
ぼくはおかしくなっていた
たぶん夢のなかでの出来事だった
それを現実の出来事 ....
タマンキと弟子たちは
聖都ジュックシーンの南にある
水都カナリヴァのはずれの
荒んだ町カワサッキに赴き
売春宿のおんなたちひとりひとりの
手を取り優しくこう説かれた
「貴女は汚れてはいるが ....
道の駅で白菜を買う
むいた白菜から虫がでてきた
さすがに新鮮なのはちがうねと
そうおもわなかったのは私のだめなところ
水に浮かぶ虫の姿を
ぼんやりみながら畑を想う
命のやりとりはあ ....
きょうレインボーブリッジを2度とおった
ゴールデンゲイトブリッジは世界有数の橋だが
カリフォルニアの海風は太平洋を渡ってきっと
お台場の空を見ているにちがいない
つかの間サンフランシス ....
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