この血であなたの心臓を突き刺したい
ナイフを手にその背中を追いかける
あなたは急に立ち止まり振り返って云う
刺せるものなら
刺してみろ
わたしはナイフを突き
刺し殴る
....
夜更けの
海には誰もいない
遠くに架かる橋の上で
季節の外れた蛍みたいに
車の光が通り過ぎては消え
動きの止まった観覧車が
隣で寂しく朝を待っている
砂浜へと歩き
波の寄せ ....
苦しみは注射以外いらぬ
父の死も母の死も
何もいらぬ
けれど苦しみは
私を愛しているのだ
飼い殺しの愛を押し付ける
いらぬものが
年と共にふえるのだ
風には名前がない
そんな重たいものを 引きずってはいない
風には身体もない
そんな窮屈な箱に 押し込められてもいない
捕まえることも 飼いならすこともできない
たとえ押し留めようとし ....
天然酵母は妊婦ですか?
いいえ、それは「頑張り」です。
皆勤賞はトマホークですか?
はい、元気です
首の皮つなげたまま前回り、空が反転した時僕は
まだ生きていることを確認し、懇切丁寧 ....
韓国や中国で
「日本の右傾化」が報道されているそうだが
むしろ近頃の日本が
左傾化していたのではないだろうか
「日本国民は、…平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、
われらの安全 ....
「ねぇ、貴方。」
そう呼ぶ 私
「うん?何?」
そう答える 貴方
その歩幅が
いちばん幸せ
教習車で好きな子の家の前を通る
クラス企画に誘われない
お隣の不味そうな飯の臭いがする
僕の膝の上で
小さく寝息を立てている
かわいい君
起こさない様に
そっとテレビのリモコンを
無理な態勢になりながら
んぬぬと慎重に手を伸ばす
そんな不自由が
案外心地よ ....
もう一度あえたらいいなと思う
僕たちは日だまりのなかのベンチに座って
何もしゃべらない
言葉はすでに失われてしまった
もうすぐ思考も
輪郭も失ってしまう
だからもう一度あえたらいいなと思う ....
ずいぶん長いことご無沙汰しておりました
その後お変わりございませんか
昨年は大量のクスリを飲んでしまい
あなたや他たくさんの方々に大変なご迷惑をお掛けしてしまいました
なかなかうまくこ ....
前略 神社の境内のながい石畳の階段を歩いて きずきました
わたくし カドウ域フェチなのでございます
鳥はイキモノの可動域を知らせてくれる
「愛(う)い奴 もちと 近こうよれ」と おもうほ ....
「ほーら 極右政権だよ」
「パパ・・・」
たいそう
お花畑ですね
と
微笑みながら
交わせる日がきたら
みんな
なにもかも捨てて行くような
恋ができるのに
真実味はすべて
神様に
咀嚼されてしまった
ちりぢりになって
虚空へ
ツイートされる
街並み
草花
コンクリートロード
あいまいな音楽みたいな
朝のひかり
カツサンドとか
....
人生なんていうけれど
それって 今日のこと
それって 今のこと
ためいきも
呼吸のひとつなら
次すう息はあたらしい
まえをみて
まわりをみつめてあるきたい
今を
今日 ....
アバンギャルド・チックな文言より
体制批判を
おや?それって同義じゃねえ?
多くをアバンギャルドに求めた結果
本来的な意味は陳腐になった
本来は
芸術をもって
....
もうずっと
ぼくの肩に羽を痛めた鳥が止まっていて
まるでささやかなおとぎ話みたいだと思う
なのにぼくときたら
宝石も剣も持ち合わせてなくて
ひとつだけ残っている
鉛のこころくらいはあげられ ....
今日も歩いていると
いつの日かの私が
朴訥と佇んでいる
でもなんだか薄皮で安ごしらえ
色もくすんで生気がないが
手を広げて空に向かって伸ばし
かかとを上げて
....
全自動
機械化された巨大な工場から
生み出されていくコンビーフの缶
ねじをくるくる回すように
側面の皮を剥ぎとっていけば
感覚がむきだしにされていく
フォークで突き ....
己が一番美しい時に
化粧を覚えた少女は
素の顔を誰にも見せぬまま
女となり
老女となり
やがて
横たわる冷たい屍となる
その顔に
再び恭しく施される
化の粧
唇に置かれた紅 ....
先を歩いていたあなたの
姿が見えなくなって
やがて足あとも消えた
砂漠の何もない町で私は
水だけを買って店を出た
かすかな電波を拾い
疲れた馬を励ましながら歩く
私が疲れても立ち ....
見えない羽の
影だけがゆく
屋根の声 水の壁
土の壁が吐く
赤い花
午後から暮れに降る光
影から影へ流れる川を
何かの波がさかのぼる
がさがさとした
爪のはざま
....
肺にまとわりつく
あらゆる風のにおい
浮遊したまま沁みついて
綯い交ぜの過去が迫りあがる
目を伏せれば目蓋の
こちらにせかいの明滅がみえる
まるで蝋燭を眺めるように
移ろいでいく木の ....
男に振られたからって
詩なんか書いてちゃダメよ
しかも愛だとか別れだとか
そんなの最悪
あの娘
きっとまだ処女なんじゃない
なんて陰口叩かれるのがおち
そんなときは
近くの公園にデ ....
彼はどちらかといえば
常識的な犬であった
子犬の時代には無邪気さがそのまま
天衣無縫な彼らしさとして愛された
けれど訓練士によって人間の基準を
与えられた代わりに彼は常識的な成犬にな ....
横向き 横向き
オチオチ歩く
横向き 横向き
カサコソ歩く
オチオチオチオチ 一匹で歩く
カサコソカサコソ 大勢で歩く
川を泳いで
道を渡って
道を渡って 車に轢かれる ....
こわい経験をして
これからも
こわい経験が控えていることが分かっていると
ぼくのキャパシティは少しだけ上がっている
点と点を結べば
その線ぐらいは一気にゆけそうだった
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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