誰にも会わなかった日の午後
思い浮かんだ 友達との日々 だけど 顔は忘れていた
僕は夢ばかりを見ていたからだろうか
だけど 夢は僕に 一体 何を与えてくれたのだろうか
六本木でバスキア ....
人は詩人にはなれない
まわりくどく
うんざりするほど
くどい説明しか書けない
月や花は何も語らないけど
存在そのもが
永遠に詩を詠ませる
季節だけが唯一詩人であり
人はその ....
冬のしゃぼん玉たち
雪にはじめまして やぁ、はじめまして
それからさよなら ふれたら消える友だち
めくばせしながら ふるりふるり
のぞきこんでごらん ほら うつるよ
....
季節のない島には誰もかれもがやって来て、そして鳥のように消えていく
島の中央には工場らしき姿勢で大きく聳え立つ、この施設は時穴(ジーナ)とも呼ばれていた
それは単純に施設の内部が空洞化され、暗 ....
ある日
どんな気持ちの迷いか
それとも突発的な事故と解釈するべきか
お年頃の二人の娘に
お父さんは童貞だよ
と
言ってしまった
すると上の娘が何ら怯む事なく
私達二人共、小学校の時 ....
坂の下は霊魂の溜まり場だった
降りて行ってはいけない と彼女に言われた
彼女は二十四の歳に逝ったままの若さだった
その代わりにある家を見て欲しいと言う
二階に八畳間が二つ在るのだけれど何か ....
人は一度幸せを手に入れてしまうと
幸せとは簡単に手に入るものだと思うようになるらしい。
人は一度幸せを手に入れてしまうと
幸せを簡単にわけてあげられると思うようになるらしい。 ....
信じていた。
奇跡を、言葉を、人柄を
信じている。
教えを、心を、意義を
信じているのだ。
皆、私も
だから
真実でなければならない。
嘘にしてはならない。
....
何でかな あの人 せっかく道ですれ違ったのに
知らぬ顔 横向いて
久し振りに 見たあの顔が あなたなんか知らないよって
そう言ってる 気がついて
だからわたしも 目を逸らす
....
夜明けには まだ遠い 眠れない夜
夜明けが近い もう眠らない夜
もうすぐ聴こえる 早起き鳥の声
もうすぐやって来る 新聞配達
夜明けには まだ遠い 眠れない夜
夜 ....
激しい痙攣のあと、強制終了のように訪れる眠りの中で見る悪夢にも似た感覚を現実まで引き摺り出してしまう不得手な目覚めの数十秒、果たして俺はすでに死人なのか、と無意識に手首に触れている…微かに、致命的な嘘 ....
さようならの後ろで
顔を出している人がいる
気付いてほしそうにしているのが癪に障って
無視をして歩き出した
でも何だか涙が出てきて
振り返ってしまったのだ
だけれどあなたは振り ....
風のすっかり止んだ朝
あなたと僕とは
公園のベンチの見える辺りで
昨日の雨の激しさを思い出した
いつのまにか あなたがポケットに忍ばせた
淡色の宝石が 太陽を透かす
哀しい石鹸の香 ....
向かいの家の屋根瓦が
黄金色に照り輝き
高い高い秋晴れに
遊ぶ子供達の声も軽やかだ
一方私は布団のなか
鉛の憂鬱を抱えながら
それでもこの美しい秋日、
天高くから降って来る
青い青 ....
知らないうちに僕も大人になっていた。
絵柄を見ずにコアラのマーチを食べていた。
青い毛糸は丸い地球のよう
途中で絡まりケンカもするけど
国境という線を守りながら
たまに出かけて色を貰ってくる
ざっくりとした編み目の中には
どんなプレゼントも隠せないまま
爪に引っか ....
おっちゃんがくわえた紙
おっちゃんの顔を蓋した
酷くやな気分だ
誰ももう僕のベッドには近寄らない
古い目覚まし時計
親父が 長く務められたからと貰ってきた
そいつが僕をせきたてる
お前の番だ、そういうことなんだ、ってな
寝過ごす ....
ちまたには暗いニュースばかりが続いているから
明るい話題が欲しくなる
そんな思いを数にたとえるなら
きっと算数だよね
数学じゃなくて
悪い噂は
それがたとえデマでも
一度立つと
....
ことばって何処にあるの
辞書のなかに埋もれているの
人間って何処にいるの
へそまがりな生き物じゃあなければよいけれど
幸福と善とはいっしょなのでしょうか
あるいは幸福のしっぽが見え隠 ....
これがほんとうの左様ならなのか、いつもほんとうの左様ならなのか、それだけを尋ねている。左様ならのありかはどこ? いつかはほんとうの左様ならが訪れる。それはいつ? わたしを褒めてくれる人がわたしの周り ....
白いからかさが回っている。
そでにはネズミが周っている。
今生に産まれた甲斐がない。
光ある処を求めなければ。
雪の世に女が溶けてゆく。
「それがなけ ....
祝日設定がないことをまた忘れ
定刻に鳴ったアラームを解除する
もう一度目を閉じる
瞼の裏のカーテン越し
秋が快晴を訴える
名前も知らぬ鳥が囀る
空気をめいっぱい吸い込め ....
遠くで鐘が鳴っている
ひんやり切ない秋の日に
何処までも高い青空に
追いかけても追いかけても
決して追いつけないあの場所で
)金木犀の花が軌道を舞い
)秋の大気が生まれるところ
....
ア、気息が冷たくなった。
夕空のコゲが美しい。
このダイダイの空腹。
迷子になった記憶はいつも鮮明。
まちがえ人が話しかける。
身内のだれかにするように・・・ ....
クソみたいな人生の
痕跡を残そうと
だらだらとクソみたいな
過去を書き連ねているから
自称詩人は
みんなからバカにされるんだ
バ~カ!
そんなことは
いくらやっても
何の価値もね ....
優しい声が届かない夜は
深層意識の土に立つ
一人の木をみつめます
夕陽をそそがれながら
ひとつずつ実りゆく言葉の果実は
あなたの部屋に届くでしょうか
この道は哀しみだけで終わらず
....
あんなに近く
目の前に見えるのに
アメリカより遠いんだと知った夜
私は一番深いところに突き刺さる涙を
すすりながらのんだ
逝った日
最後の言葉は
月から見ているって
は ....
藪にピアノが捨ててある
埋もれているがそれは確かで
おぼろげに形がわかる
鳴ったりはしない
棺のようで気味が悪い
*
腹の裂けた猫が
中身をこぼしながら歩いていく ....
正面に
半月が浮かぶ、
白銀に
空の青は
次第に濃くなり暗くなり
やがて漆黒へと変わっていく
)西の空は茜に燃え立ち
この美しい夕暮れを
風に吹かれて眺めている
巨大な静 ....
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