開くとき、ふるえる 感覚のよろこびは、きっと、花が綻ぶときと同じよろこびでしょう
みずの、たわむれに、足先をふれあわせるとき、神経がふるえるのは、きっと、緊迫した緊張の糸が切れたときと同じふるえ ....
また一つ 鍵をしなくてはなりません
出会わなければ 良かったなんて 思いたくはなくて
悲しい 悲しい 悲しい 悲しい 悲しい
貴方の くしゃりとした 笑い方が 好きでした
貴方 ....
ぐっと空気を、背骨が開く、奥から、丸く、盛り上がる
身体的な構造が、喜びなら
感覚は、恥部だろうか
神経は、管で、感覚を開くくさびだ
喜びがつくられたものなら
この身体的な喜びの感覚は
開 ....
特別支援学校に通う
息子が二年生の
ある夜
初めて妻に打ち明けた
ダウン症告知のあの日以来
息子について後ろ向きなことは
もう決して言うまいと
心に決めていたことを
語らう夫婦 ....
心がよれよれになる事がある
当然
体がくたくたになる事がある
でもこれって人間だけじゃないよね
人間以外の生き物にだって
ヒトの心に相当するものが存在していて
時にはドキドキしたりハラ ....
公園の遊歩道の落葉はもう、絶えず踏みしだかれてかたちを無くしかけていた、きみはおれの先を歩く感じで、ただただどこかを目指して歩いているだけだった、木々の装いや、広場での出来事はもう、会話のきっかけ ....
16才にして頂点を極め
17才の今
既に全盛期を過ぎたと言われる
そんな厳しい世界がある一方
生まれてからずっと下降線で
19才で自称詩人となって
マイナス側に突き抜けて以降
まった ....
たぶんそうだろう
名前がなければ
一色にしか見えない
言霊が消滅してから幾千年たっただろう
万葉集がほんとうに
最後の詩集になってしまった
負けたのだった
空一面を灰色の雲に覆われ
隠された層が露わになる
敗北の土地には
敗者が住んでいる
鎮痛剤はテレビと菓子パン
笑って今日をやり過ごす
私はなんとか
どうにかして敗北の土 ....
世界には、まだ誰も知らない素敵なものがたくさんあることを、私は知っている
零れる優しさの水滴に刺さる
雪風が頬を伝う
最後の嘘を纏った電車の発車音が
膝を殺める
指先が溶けそうな
熱風を吐き出す
初めて素直になれる恋を見つけていた
私と君の
一度きりの絶望の ....
灰の空、
カラスがカアカア鳴いてます
枯れ葉は落ちずに
枝に揺れ
終いの色を響かせて
遠く懐かし高曇り、
鉛の身体を引き摺って
今日も今日とて参ります
....
キリストの誕生日は十二月二十五日
ではないらしい
二十五日はあくまでキリストの誕生を祝う為の日で
誕生日ではないらしい
あくまで誕生日を祝う為の日
降誕祭と言うらしい
知らなかったな
....
以前、知り合いで
心臓の調子が悪い人がいた
ボクもそうだったから
話がよく合ったよ
ボクは金なしだったが
彼は小金持ちだったみたい
心臓バイパスとかいう手術を受けて
調子が良くなった ....
なあ
きみは似ているよ
ぼくが今まで出会ってきた
ぼくがきらいな奴らすべてに
たとえば
自分がまともだって思い込んでるところと
鼻のあながふたつあるところとか
洗面所のガラスに映った ....
雲、流れ
流れ、雲が空をいく
ぽっかぽっかり青を裂き
気流の鳴る音、響かせて
澄み切る初冬の夕暮れに
荒れる呼吸を収めては
私の宇宙を横切って
流れ、雲が空をいく
....
かかとからやって来た
わたしを突き刺す冬
いつの間にか整理していた人生のこと
忘れてさっさと、今夜を食べる
重い荷物を
持たなくなったな
持てなくなったな
愛をわずらう結婚生活
....
柿が自らの重みに耐えかねて
落下するのはいつだろう
近くで見れば黒ずんできているが
遠くからなら変わりなく
まるく楽しい色を放っている
俺は葉の落ちて実だけになった
この柿の木を美しく思う ....
(うしろの正面ダアレ)
、いきなりですが
羽根を持ちあげては殺しあう
郭公が鳴いた
鏡に映るのは化粧の白い羽根
声音を十二階変化させ
モノマネをする
知らない
....
何もかもが一歩だけのとこで壊れた
もう忘れましょう、私には忘れることしか
実行可能性のある選択肢がない
森のある町 隙間を縫う国道
どこにでもあるようなとある街
家と社会を繋ぐ道
森の ....
スパゲティの判決
噛んだ飴で口を切った
午前零時半の雨が頬を打った
熱を冷まして
爪先に手が届いたら
復讐に出掛けたい
割り勘で食べよう 君はなにもしてないけど
愛にはもう何もできな ....
僕はいつも一度だけ改行をする。
その小さな段差に一人で座っている。
憶念せよ。君はおぼえていますか。あの日、全会一致で私は、教団から破門され、この世から消え去ったことを、あのとき私はあらゆる劣等感から解放され比較によらない自信を手にしたのだった。
もう永遠に戻るこ ....
トンネルを抜けた後のスピードは
僕の耳にラジオを流す
恥ずかしさを忘れても
懐かしさに揺れる心を
歌い上げたラブソングが
春の下を通り桜を見てる
反射していく恋の思いを
同じ ....
宝箱の中のわたし
お気に入りはお気に入りだって
大切に仕舞い込んだりしないで
外へ連れ出してほしいの
世界の広さを知りたいし
雲の行く先
昼間の月の優しい光を浴びてみたいの
隠したりしな ....
KEIKOさんは恵子さんと書くのに
幼少の頃から
けして恵まれては来なかった
らしい
とは言っても
個人の情報の漏洩はゆるされない時代
具体的な記述は避けられているから
確かめられな ....
ゆっくりと歩く蝸牛
それで
どんどんと黄昏の国が過ぎて
宵闇せまる暮らしの中で
わたしも
立ち止まったままの
蝸牛
さまよえる
迷子
冷たい風が
「シッ!」
っと ....
誰も帰ってこないよ
今日、ボクが旅立てば
名刺入れは空っぽ
バスはいつも定刻から遅れるもの
聞かなかったことにして
笑って済ませばいい
どうせもう春は来ない
じゃあね、
時代の ....
二足歩行の人間だけが
垂直に天を仰ぎ見る
天の先を凝視して
天の先を認識して
天の先を創造して
歩いては立ち止まり
立ち止まっては歩き
一夜、すぎ
油の匂いのする聖水の
油膜を
洗い、すすげない、
その匂いにキャンキャン鳴いている
かしこい顔の犬を追いはらい、
泣きそうな君を
バス停までだけどね
見送ったのに、
君の ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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