蜜でびしょびしょのパンケーキ。
明るい白いお皿。
切り分けられる直前の幸福。
あなたの精神には美しい余白があって、
私たちはよくそこで落ち合った。
夕暮れどき、影になっていく街をみながら、
何ひとつ意味を持たないことを喜びあった。
あらゆる言葉を使ってしまったあとで
「幸せに、なりたい!」
いっせーのーせの
異口同音
それはまるで回し車のようで、
それはまるで観覧車のようだ
汚い鼠が
必死に、それはそれは必死に駆ける
円環道路を駆けるが一歩も進まない
届かぬ頂点を目指す
充血眼球に睨まれて
それを見た紳士は手を叩いて嗤い
それを
詩にもスペックがあり多くの人の日々の生活で普遍的に利用可能なものだったら詩サイトは言葉のプロの人たちの出入りが目に見える形であるはずなのにダークマターのように不気味と静かなのは詩が無意味の証明
ー詩は確かに個々のスペックがあり、人々の日常生活に普遍的に存在します。し
わたしのデスクから斜め四十五度の視界に
ペールブルーの空がのぞく
けだるさを隠しもしない
ぬるま湯のようなオフィスで貪るのは
春の新作とか、要領を得ない愚痴とか
とにかくもふんわりとした何か
満足はわたしをゆるやかに分解していくから
低いフェンスの向こうで手招きをする
幸福とは笑顔のことで
夏休みの子供にあって
土日の大人にないもの
幸福とは未来のことで
無計画にあって
心配にないもの
幸福とは夢中のことで
このセミにあって
わたしにないもの
幸福とは主観のことで
今ここにあって
SNSにないもの
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雨が降ると哀しくなる奴と
雪が降ると元気になる奴って
どっか共通点ありそうな気がする
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『春・夏・秋・冬
どの季節が一番好き?』と彼女
『哀しい思い出を連れてこない風がふく季節』
とボク
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みんな去ってしまった
みんな去っ
輝く満天の星に魅せられ
幾多の夢が抑えがたく渦を巻く
もしあなたがその言葉を発するなら
すべてが光り輝くだろう
すべてが夢の底を貫き
それぞれの価値に根付いて
内面のなかを力強く生き抜くだろう
ああ、静けさが満ちる今
干渉できるものは何一つない
輝く満天の星に魅せられ
無
きみの幸福のために宇宙が誕生した
きみの幸福のために宇宙は存在する
きみの幸せは永遠のひかり
きみのステージはいまこの瞬間
きみの幸福は結果なんてもとめてはいない
ただ待っているだけなのです
電気配線を組むのが
三十人中一番遅くて居残りを食らった
ひっきりなしの汗が
ポタポタと顎をつたう
電話がポケットでずっと振動していたが
全然それどころではない
ぼくの三分の一の時間で
さっさと課題を済ませた余裕の彼は
ついこの間まで世界を旅したバックパッカー
電気理論の
不幸って
否応なしにそれ相応のわざわいの種がまかれた
結果っていう認識でいい
幸福って
なりたくて欲しくて探し回って
やっと手に入れた
それ相応の種を植えて
水を撒いて育て上げた結果の
実りだって常識
それでいい
なのにさ
誰かの幸福の日陰にされて
それまでの幸福感が嘘に
震えて
朝日が昇るのを見る
吐く息に
混じって漏れる
夢のかけらをかき集める
カラオケから眠そうな学生たちが吐き出され
言葉少なく
あなたの影は薄くなる
霜が降りた葉をちぎる
氷がはった水面を踏む
しずくを振りきり
先に求めた出口は締め切られた
唐揚げの匂いがお弁当からして
崖下の細道と市境を流れる川に挟まれた廃寺に隣接する三角形の土地は雑木林で、夏の間は気が付かなかったが、樹々の葉が落ち始めた最近、それらの幹それぞれに、なにやら薄茶色の掛け軸が揺れている。数年前から全裸男が徘徊していると通報がある地域であり、その廃寺もよく不審火
幸福の定義はない
と言うのが一般論でしょうか
人生と言う個人個人の歴史
その
一人一人の幸福のレベルゲージに
相違が生じるからでしょう
生まれた家
育った環境に違いがあるのですから
当然の結果でしょうね。
たとえ同じ家に生まれ
同じ環境に育っても
同じ人格は形成されませ
星の時計が雲の隙間に見える
白い光の花が
妖精の足あとのように
草の間に咲き誇る
映るの時間を止めた針
雨はいま帰ったばかり
幸せ探すのは一度別れた二人
繋いだ手のひらの中に
見つけるのは星のネジ
覚えてもいない幸福の味を求めて彷徨う
目は潰れ耳は千切れ鼻は失くし
皮膚は擦り切れただれ口は開かない
それでも存在を知ってしまっているから
何処にも無いなんて信じられなくて
すすり泣くほど焦がれては
のたうち回り悶絶する
あれはきっと綿の飴
あれはきっと氷菓子
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