[145][2007 09/11 00:39]
『パン粉の空』   〜いとう・終〜2行14連

小麦粉より粗くて
少しゴツゴツする

透明なピンクの岩をかじって
丸い輪っかのフルいにかける

すると
時がこぼれ落ちて

白くムセる霧の中に
銀(シロガネ)のミちが浮かぶ

残されたものたちの宴
未知のかけら、道行く遠吠え

キるリら きるりラ ふわ りラん
きルりラ キルリら ルる リりら

空に、輝きの里
やわらかく、はてしなく、

揺るやかに 紡がれてく カケラの
マタタキが 沈かに ながれて

パンのかけらのその行く末に
乾いた空のその先の夢

消化不良になりそうなユメも ふんわり
と うす桃色のバクが 三日月ごとぺろり

おなかいっぱい? そらもいっぱい?
夜の、台座に白くて、粗い、

かすれた音をひびかせる
月の欠けらがこぼれおちる

こぼれおちるその隙間に
ひそめく夢 かけらの夢

夜空に舞い上がる粉塵ヨリ タしかな
アマタノツナガリ
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