[186]るるりら[2018 09/14 10:11]
 
幾日も幾日も 伸ばし続けたある日

種は、ぱっくりと口をあける
種は、種自身を ぱっくりと二つに分かつ
ふたてに分かれたハザマから
ちいさなちいさな芽を 伸ばすではないですか
孕む命と渾身の力を持って 自身を分断した種の
鬼火のような蒼い現象

凛と露を 芽の内部の最先端に登らせて
ちろと のぞく 命のホトバシリよ

虹に両端があるように
自身を分断したアボガドの種は
つねにふるえながら虹のよう
いつかは消える虹のよう
種の内部に光る
喜びに似た優しみの乳白色
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