[10]楢山孝介[2008 05/05 03:05]★5
頼ってきた人々は
土地を捨て
よそへ移っていった
散っていった
溶けていった

アウロリア・ソラリス
毎年我が家の上空に現われるオーロラの学名
まだ分類学者たちが分類することを諦めていなかった頃
最後にうちに泊まっていった男が
仰々しい観測機械で調べてくれた
見る人の望む形に姿を変える
オーロラ類としては原始的な種類

とてもぼんやりとしていますが、
若い頃のあなたの姿が見えます
と、元々馴染みの客だったその男は言ったが
私の目には
子供の頃から見慣れている、
親たち祖父母たち先祖たちが見続けてきたであろう
何の変哲もない
突然変異前のオーロラが
光り輝
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