[82]佐々宝砂[2007 06/15 19:59]★1
我が街には花菖蒲園とて名の通りたる園あり。我が父母、我が祖母を連れてかの園に花菖蒲見物に行けり。その帰り道、寄らずとも構はぬに、なにゆゑか我が家に寄りて、庭の手入れ行き届かぬを咎めに咎めぬ。我なさけなく惨めなる心地になりけり。されどちちははの優しきことよ、帰りぎはに花菖蒲園にて購ひしといふ菖蒲の蕾ふたつみつ我に与えたり。ちちははに何か贈らむと思へど我が庭の貧しく、黒く熟れそめたる桑の実を少しばかり母に渡せば、あな懐かしき味よと母の宣はす。

桑の実を小籠に摘めよ夢ならじ
#俳句がいまひとつなりw
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