作者からのコメント



私を盾と呼ぶな
すべてを防衛するものの
名で呼ぶな
一枚の板であれ それは
祈られて あるものだ
はるかにその
みなもとをとおく
絶滅のあとの渚へ
ひらたく置かれ
祈られて波に
洗われつぐものだ


(1977 年7月『一期一会の海』)

『石原吉郎セレクション』(岩波現代文庫)より
 



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