作者からのコメント
2006.01.09
みなさん、ありがとうございます。
言い訳がましく聞こえるかも知れませんが、僕はエッセイのような文章を書く時は、バランスの取れたスタンスでは書かないことにしています。
分かりにくい表現かも知れませんね。つまり、「でも、こういう逆な考え方もある」「見方を変えれば、こうこうだ」という書き方を意識して避けます。
具体的なふたつの「事件」に遭遇したこともあり、「心の病い」に気づくのがいちばん遅いのが、実は家族である、ということは知っていました。
でも、ここではそれに触れませんでした。
ふたつの事件のうち、ひとつだけお話しします。
ずいぶん前の話ですが、僕の職場に、明らかに言行の異常な女性が乱入してきまして、
もうどうにも手に負えなくて、警察を呼んだのです、不本意ではありましたが。
彼女の興奮が収まらず、ついには夫と連絡を取り、来ていただいたのですが、彼は、
頑として「妻がおかしいはずはない」と電話で言い張っていたのです。
しかし、到着して奥様の様子を見るにいたって、初めて、「おかしい」と感じられたのでした。
彼は、まったく気づいていなかった、とおっしゃってました。
その女性は、僕の職場 - 社会人の教育機関 - つまり「学校」ですが、そのクラスメイトたちからは、何度もクレームが寄せられていたのです。
「問題児」だったのです。
ご主人は、初めて現状を目の当たりにして、ショックを受けておられました。
家族が、心の病いに気づかない理由は、複数あると考えます。
でも、グローバルな理由のひとつが「無知」だと思います。
つまり、「心の病い」を「病気」だと分かっていないのです。
そのことだけに絞って、ここに書きました。
すべてをあまねく、多くの人に知ってもらおう、という試みは成功しないこと、分かっています。
ひとつひとつ、です。
「ふたつの事件」の残るひとつは、僕自身のことです。
今はまだ、書く気がないのです。
でも、いずれ、書けるときが来ると、思います。
蛇足ですが、今の(特に)日本のジャーナリズムが忘れている使命は、渦巻二三五さんが触れているように、
「啓蒙・教育」
だと思います。
ありがとうございました。
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