ポイントなしのコメント
[田代深子]
「自立」という言葉は最近では「障害者自立支援法」とかの影響で、なんか無茶な要求、というイメージがつき始めているけれども、そういうことじゃないんじゃないかと思います。
たとえばわたしは親元に独身者として暮らしていて、家事を任せて仕事をしていますが、親も自分も自立した存在であると考えます。自立というのは、各個が完全無比な生命体であれ、という意味ではないと思います。人間ですから、どんなにちゃんとした人でも病気になれば動けないし、ひどい目に遭えばひどい気分になって大酒飲んで帰れなくなって車で迎えに来てもらったりする。問題が起きたとき誰かに助けてもらうのは、自立していないということではないでしょう。
わたしは30代半ばを過ぎるまで、それを理解していませんでした。「自立」しなければならない、誰かの世話になったり負担になったりしてはいけない、そんなことを期待することは恥ずかしいと思っていました。しかし、まぁそれは無理なことでして、人間もぎすぎすするし、人の弱さも許せなくなって、かえって生きにくい状態になってしまう。だから、ゆるく頼ること頼られることは、人間のあたりまえの属性なんだと思うようになったのです。直接効果のある働き(たとえば経済活動とか家事とか)ができなかったとしても、なにがしか精神的な影響をもたらすし、ともにある、ということだけでも、互いの存在が「立つ」支えになっているはずです。
ふるるさんの、ひとの生活力に対するお考えは、わたしと同じくらいのゆるさ加減なんだと思うのですが、話を家族・親族に固定しているところがありすぎかと。その考え方は、ちょっとこわい気がしました。家族・親族は最も身近にいるし、いるべき、と思われているし、切りたくても切れない相手ではあるし、好きじゃないやつもも家族だと何とかうまくやっていかなくちゃならないし…人間に幅を持たせてくれるわけですが(笑)しかし「自立できない人間は家族・親族でなんとかしてやれよ」「自立できない育て方をしたやつが責任とれ」みたいな話になってしまうと、それも困ったことですよね。もちろん ふるるさんも、そう言われたら「そうじゃないだろ」とつっこむと思うのですが。家族単位での自立だって、基準は考え直していいと思うし。たとえば、発達に問題のある子どもを育てている、両親のいない独身女性がいたとしたら、彼女はどうやって生活していくのでしょう。遠い親戚に頼るよりは、身近な他人との相互関係や、なにより公共の扶助に頼りたいですよね。適切に、適切な相手に頼り、ときに頼られて見返りなく助け、互いに難しいなら難しいなりの生き方を模索する。その心持ちのありようを自立と言うのではないかと。
もっとも、その「前向き重視」を「効率主義」として批判する声も、わからないではないですが…わたしやはり、「自立しない」をエゴイスティックな精神状態でひたすら肯定しようとする人には、腹が立ってしまいますよ。だってそれは「自立」するしないの問題ではなく、周囲の人の状態に対する思いやりのなさですから。
>ふるるさん ご返信ありがとうございます
ふるるさんのご家族の状況を具体的に知らないので言及は難しいところですが、ご家族と ふるるさんの間に了解と思いやりと、もちろん ふるるさん自身の体力・気力があるならば、べったり頼るのもありだと思います。
たとえ話ばかりで恐縮ですが(わたしはわりと難しい状況から考えるのが癖なので)、寝たきりの親を独身者の子どもが世話しているとして、子どもが親に「がんばって経済的・精神的に独立してくれ」とは言えないわけです。ではしかし、老いてもう一人では動けなくなったとき、私たちの「自立」とは、どういうことになるのでしょう。それはあり得ないことなのでしょうか。また、社会生活上でハンデキャップをもった人たちやそのご家族も、考えておられることだと思います。「その人の自立」とは、どういうものなのか。
逆に、身体が通常の働きをし、心身の健康に問題もなく、教育を受けていても、「経済的・精神的に自立していない」生き方とは、どういう生き方なのか。周囲の人の気持ちはどうなのか、それは悪いことなのか。
考えちゃいますよね。
>ふたたび ふるるさん
身体が通常の働きをし、心身の健康に問題もなく、教育を受けていても、「経済的・精神的に自立していない」生き方……これにはですね〜やっぱり場合によっては「自立せい!」って言ってもいいんだと思うんですよ、わたし(笑) まぁ、お金に困ってない家族が一生大事にするならね、問題はないと思いますけど。でもなんか腹立たしいですけどね〜 ずるいっつーか…そんな余裕あるなら、せめて探偵業とかすごい詩を書くとかして、貴族的社会貢献でもしてほしいじゃないですか。そうすると、ああ、それも自立なんじゃないかな、って(笑)
給食費を払わない親って、わたしもテレビで見ましたけど、お金に困ってなくて、「気分」って言ってましたね〜 それはただいい加減なだけですよ。怒っていいですよ。
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