ポイントなしのコメント
[菊西 夕座]
inkweaver氏が武者震いすると、時が一回転します。
すると、積み上げてきたものも振り出しに戻ってしまう。
王者のベルトを巻いた青春はそこで負けを知る。
しかし、この「負ける」は「巻ける」に掛かっており、時計のネジが再び巻かれ、もう一度、出発点に立ち返る。
そこで再び戦いにでるわけですが、それはすでに一度通り過ぎた道にすぎない。まるで永劫回帰のようですが。
それでも、その道(かつての幻)をもう一度歩もうという超人の決意がこの詩には現れています。
これがニーチェの思想とちがうのは、「お宅」と「オタク界」を結んでいるところです。ここには近代以降の大きな進展が見られます。つまり、一般家庭のお宅にネットワーク回線が行き届き、だれもが「オタク」とつながるようになった、という現代特有の状況が見てとれます。
ここにおいてもはや、オタクなる狭い世界は滅び、お宅へと、つまり一般家庭へと箱舟を進めたわけです。それまで箱舟といえば、ノアの箱舟だった。しかし、これからはよりオタク系の「あぶノアーまる」な箱舟が一般家庭へと殴りこみをかけることになります。アブノアーがノアにとって代わるわけですから、歴史的転換点といえるでしょう。これをinkweaverの乱、すなわちAIの変と後世では学習することになるでしょうが、まだそこまで回転を進めるのは早いかも知れません。
いずれにしても「もう流す涙はない」というところに絶望と、それを乗り越えた機械時計(機械化)の新たな展望があるような気がします。
---2024/01/01 15:53追記---
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