ポイントのコメント
[川村 透]
湾岸戦争の時、僕はまだ駆け出しの技術屋で何も力がなかった。遠い広島の知り合いから反戦のつどいなどの誘いがあっても、僕は違和感を感じ動かなかった。数年をかけて茶色い戦争のことを考えに考えた。僕は小さく力がなかった。一過性の異議申し立てのイベントの末席を汚すことは当時の僕にとっては内心忸怩たる思いをごまかす免罪符に他ならなかったし、一過性のそれは実務家としての思考からあまりにも効果が薄いと考えた。僕は小さく弱い自分を時間をかけて鍛える道を選んだ。10年をかけて。それでも9.11はとめられなかった。まだ僕の力は小さい。まちを変えよう、棲んでいる今、そしてココを変えようと思った。今やっと小さな僕のまちの中で少しずつホントウノコトを作り出せるようになってきた。でもアフガンには間に合わず、イラクでも無力のままだ。それでも僕は信じている、僕たちには10年後の戦争ならばとめることがきっとできると。
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