ポイントのコメント
[室町 礼]
詩の投稿板なのに批評が少ないので こういうものは貴重だとおもいます。 ---2025/12/11 03:46追記--- 吉本隆明についてですが、彼ほど知識人をバカにして 無知な大衆を信頼した人はいないのですがね。 ですから学のないわたしでもすぐに吉本のいい面が 理解できたし、もっとも印象的で象徴的な挿話は、 映画『最後の博徒』のモデルである伝説的な博徒・ 波谷守之が刑務所のなかで吉本隆明を読んで、 「こいつはホンモノだ!」と叫んだことです。要する に思想というのはある必然性がなければわからない。 学問として大学で勉強する類の思想はそもそも 知識人用の思想でありまして吉本の思想はそういう ものとは隔絶しています。呉智英のような三流コラム ニスとごときがそもそも相手にできる相手じゃない のじゃないかと思っています。ただ、吉本が資本主義 体制の下でものを書き、売っていることに忸怩たる 思いをしていたことは間違いのないことで本人は パチプロになりたかったと告白してますね。 「野性時代」に掲載されたアンケートの「もう一度生 まれかわれたら何になりたいですか?」という問いに 「もうごめんだ」と語り、「方位をまちがえたかもし れないのに/生き残ってしまった」(『最後の贈りもの』) と詩に書いてます。 ただ、パチプロになるにはパチンコ台のとりあいがあり、 それが吉本には出来なかった。それで売文のほうへいった と述べています。共同幻想論はわかりやすい画期的な 思想なのに遠野物語なんかをベースにしたのが大失敗で すが、当時はおフランスの外国思想ブームで、それに反発 してわざと 日本の古代物語をベースに語ったといってます。これが 難解さを読む人に植え付けた。これはわたしも大失敗だ と思いますが、他の本を読めば共同幻想論がたんに人間 の意識の在り方の構造を世界ではじめて開陳してみせた 画期的な思想でこれは向こう100年のあいだはまだ だれにも理解されないけどいずれ必ずその思想がどれほ ど偉大であったかわかる日がくるはずだと思っています。
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