ポイントのコメント
[朧月夜]
「青いバラ」がかつては「不可能」の象徴だったように、「緑のバラ」というのが今のこの時間における新しい「不可能」の可能性であるのかな、ということを感じ。そういうことを考えていて、「ただ蒼空が無性に恋しくなった」は、「青いバラ」の隠喩かなと思いもしたのですが、それは言い過ぎですが、わたし自身は捨てきれず。「青い鳥」が、結局は自宅にいたように(羽根だけですが)、「緑のバラ」とは「バラの緑の葉」のことだったのかな、と気付く可能性も読者と作者は有していて……それでも、そういう言葉遊びや現実への回帰に堕すことのない、「緑のバラ」の果てしない追求ということに、詩の詩とは何であるのか、ということにもシンクロするような作者の思いを感じます。そう思うと、タイトルで「夢のなかの風景」と言ってしまって良いのかな、という。いや、「夢のなかの風景」だからこそ良いのだ、という感じ方もあるのでしょうけれど……なにかタイトルと内容のアンバランスをも感じました。あるいは、現実に侵食してくる夢、と言いますか。
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