ポイントのコメント
[朧月夜]
「葉巻」……吸ったことあります? わたしはシガリロやリトルシガーのみなんですが、とある時に煙草屋さんを訪れたところ、薔薇のような豊穣な香りが漂っていて、「これ、葉巻ですか?」と聞いたところ、「葉巻ですよ」と。店のなかで葉巻を焚いていたんですね。ふうん、そうなんだあ、とわたしは思い。実際、薔薇の香り成分と同じ成分が、煙草には含まれているのです。なので、「葉巻」という言葉が少し浮いているかな、でも、「いつまでも 酔っていたい」という表現と呼応しているのかな、などということを感じます。感性で書かせてよ、イメージで書かせてよ、という詩書きの方も多くいらっしゃるとは思うのですが、この作品にあっては、それが抒情的な作風だけに、安易なイメージの乱用は逆効果かなあと感じます。もっとも、全体の雰囲気は良いんですけれどね。ただ、今一歩ファンタジーに踏み込んでいないと言いますか(ファンタジーという表現は不適格かもしれませんね。詩情と言いますか。上手く言えません)、少しだけ単語への気遣いが少ないのかな、と感じます。わたしが違和感を感じたのは「葉巻」という言葉のみですが。soft_machineさんは常々こういう抒情的な作風が多く、うむ、これがライトバースとか何とやら? と思うときもあるのですが、この詩風にも同じことを感じます。なのですが、微妙に完成度が高い、読者が置き去りになっていない、もしや新たな作風のさきがけ? といったことをも思うのです。ざっと思ったことを書いてみましたが、失礼であればご容赦ください。「いっぽん噛みちぎる」……こうした表現、けっこう激しいですよね。言葉遊びになりますが、そうした点でもよくかみ砕いているなあと感じるのです。
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