ポイントのコメント
[アラガイs]
人間魚〜犬魚〜冒頭の二行からどうして冬の季節で在らねばならないのかと、唐突な表現ですが、わたしはその作者の意図を挑戦的に汲み取りたいのです。それは何故か不思議な感覚に囚われてしまう内容を誘発する表現にも思えるからです。仮にパウル・クレーに描かれるような図柄を思い浮かべてみたりしますが、この詩には流れがありますね。残像としての記憶の流れというよりも心の動き、思いとしての記憶の流れを感じます。 それにしても何故寒い冬の明け方で魚たちなんだろうか。わたしは寒さで凍りつきそうな悴んだ手に白い息を吹きかけて温めます。そうだな。見ようによっては冷たい空気に舞う暖かな白い息が、上昇しながら様々なかたちをして流れていきます。ああ、あれは過去のわたしに見えた思い出の姿に似ていると…
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