ポイントのコメント
[菊西 夕座]
この閉ざされながらも抜け道のある世界が私は好きですね。 飽和して、どこにもいけなくて、結局は窒息するしかないはずなのに、それがラジカセによって吸収され、変換され、好きな歌になって保存という形態に移行する。 やがて保存用のカセットテープも積み重なり、飽和し、行き詰るのだけれども、こんどは息を詰まらせる存在自体が半透明な薄っぺらいテープになってカセットに収まり、歌として放出される。 そして閉ざされた世界で、テープは巻き戻され、永遠のループを繰り返す。うまく逃げたなと思いますね。 結局「この人」は、ベッドでずっと音楽を聴いていたいんですね。それで自分自身がカセットテープのテープになっちゃっても、ツメを折ってあるから上書きされなくて一安心。音楽として流れ出て、また部屋のなかでちんたらするという戦法でしょう。 そうはうまくいくか。とうことで、そんな音楽が流れちゃっているみたいだと濁したわけだ。 >ドアも窓もないから、発掘されても再生はできるはず  つまりはなんですか? しっかり密封されているから解凍すれば食べられますってか? どんだけしたたかなミイラなんだ。このミイラになっても明日こそは再生しようという根性が気に入りました。
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