ポイントのコメント
[アラガイs]
【親父の遺言状】あのような偶然性を孕みながらもたらした結果は追わない方がいいと思います。あれはあなたひとりが創り出した傑作ではないのだから(三者が共鳴したのです) それから、なんであの作品が共感に訴えてくるのか少し考えてみました。 あれがまさにシュールな覚醒なんですね 。 読み手はあそこに書かれた埋め立て地のゴミやらをつい想像してしまう。それがまるで美術館(屋敷)にでも飾られたかのように墓場と重なってみえてくる 。つまり生前の父の姿を、我々は埋め立て地に棄てられた生ゴミやら処理しきれなかった不燃物を想像することによって、墓場のなかに眠る得体も知れない父親の姿を、無意識のうちに朧気な生前の姿として読み取ってしまうわけです。 あの突拍子もない間違いは、生前のあなた(家族)や父親との関係が、何か言い忘れた言葉たち、また抜け落ちた象(かたち)に重なってみえてくる。 そして、空間を空けられたことが逆に生々しく甦り迫ってくるような、あの末尾に置かれた言葉。 特に親を亡くしているわたしどもの胸には、甚く情動を揺さぶられてしまうのです 。
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