ポイントのコメント
[鵜飼千代子]
心理学に「ヤマアラシのジレンマ」というのがあって、そうした状態で書かれた詩は 沢山ありますし、そこに題材をとった創作もたくさんありますし、出尽くしたようでい て尽きない泉のように新作が書かれますが、この詩は体内に針をたくさん抱えて いるというところが、新鮮でした。 環境汚染による「動物の胃袋の中にあったもの」という写真や、手塚治虫のブ ラックジャックで、手術をしたら見たことも無いような疾患があっただとか、そう いうことも頭に浮かびました。 生き物は、環境により世代を経て姿形を変えて行きますが、この詩の場合お互 いが「悪環境」となっているわけではないですし、その「腹に一物」も、味わい深 い思いがしました。
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