不在告知/まれ
帰ると、きみがいない部屋で窓を壊すから
風が気持ちよくって
ぼくは
失くした物は見つかるはずだと思う
ドアの外で物音がして
開けるけど姿も見えない いないのだ
夕陽の薄暗さ、なまぬるい明かりの六畳
見返せば影差す
きみ、
心当たりのない誰か 立っている
だけどそれは鏡だ それはぼくだ
ねえ、
太陽が落ちてゆく 湯を沸かす
茶を淹れる 闖入者に供するために
暗くなってきたから電気を点けよう
豆電球のほの明かり 影を存在させるために
残ったものを掻き集めて語るから
夜は出会いを準備しているけど待ってほしい
ぼく
は まだ残り物を消化してないから
愉しく影との団欒 長い不在に備えて
遠くこだまに応えて
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