夢と幻は永遠の無限 妄想の遺書に うなされる月/八十作品/板谷みきょう
 

海のように見える空の彼方に 海のない土地 
偽りの糸 解いて結んで 赤く染まる嘘
おずおずと夢を届けて 知る由のない夜に蠢く 
満月の感触 優しい光に 背を向けし独り
傷付いた背中の翼 夢ばかりを空に雨
待ちきれずに生きつく 受けて亡くした夢
闇に紛れて さまよう心を 慰めて
翻弄に揺れる木の葉 夢見続けて溺れゆく
       ☆**☆**☆
危険な夜に頷く 君に似合いな 満天の星 
いつか きっと 必ず どこかで…
苦しいほど愛しい 久し振りは青臭いトマト
ポケットの 思い出にしがみついて 君の結び目
ぽとぽと触れる 物思う屋根の 溢れ続ける雨音
逃げ水を 追
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