僕は蝶になりたかった/
プル式
蟻の触角をプチリと抜いた
前足
真中
後ろ足
一本ずつ丁寧に
壊さないように
壊していく
壊れていく
あぁ、まただ
また足元から上ってくる
おまえは助けたいの
と聞いてみても何も答えない
そんなはず無いよね
誰かが誰かを助けるなんて
だから
また
プチリと抜いた
足元には分解された蟻が
芋虫の様に這い回る
僕は立ち上がって
それを踏み潰した
そうして
教室に戻って
女の子とキスをした
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