あの日僕らはキスしたんだ/プル式
薄暗い中
あかがねに染まる朝焼けを見た
時計がさざなみ
町外れの橋が影になる
息を吐く声
電車の踊る音
タタン トタン トトン
パタン ポタン コトン
読みかけの本を閉じ
コーヒーにミルクを落とした時
僕は夏の夕暮れを思い出した
君は僕を恨んでいるだろうか
何度も愛してると言った僕を
幸せな日々を
声を
独りよがりかも知れない
それでよかった
それでも幸せだった
夏の夕暮れ
蝉の鳴き声
時計の針は少し遠くへ
あの日僕らはキスしたんだ
繰り返される時間の中で
明日の事なんて考えもせずに
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