読者だって赤い靴を履く/佐々宝砂
とシロートです。だって、絵が描けないもの。絵が描けない人間だって「おもしれーマンガがねえよー」と叫ぶことが赦される。少なくとも、マンガの世界では。
アホウなもの、とるに足らないもの、どうでもいいように思われているもの、無意味に思えるのでほっぽらかされているもの、あるいは忘れ去られて久しいもの、そうしたもののなかから、新しいものが生まれてくるのだろうと、私はずーっと予感を抱いている。その新しいものは、きっと、私には理解できないような新しい衣をまとって、私には嫌に思えるようなへんてこな言葉をへんてこに組み合わせて、私にとっては肥だめみたいに思われるものの中からでてくるだろう。それが、馬小屋で生まれた誰かサンのごとく現代詩を救うかどうかそんなことは私の知ったことではない。私はただ読者として期待し、舌なめずりをしているだけだ。
期待が何度裏切られようとも、ね。というか、期待は裏切られるものさ、たいていは、でも、奇跡が起きるかも、起きるといいなあ、ああ、とんでもなくすごい詩が読みたい。とても、読みたい。誰か書いてよ。
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