〈芝居〉『明日』 青年座 2005/08/13/白糸雅樹
ったからといってそわそわしている様子や、その女性が実は父親に認められない子を身ごもっており相手の家(留守宅)を訪ねていって相手の母親に門前払いされる場面、また純朴に憧れのラヴレターを書くその青年がこそこそと女郎屋を訪ねていく場面での卑屈な様子など、登場人物のひとりひとりのキャラクターがそれぞれに描きだされていた。婚礼の席で、花婿の父がいちはやく酒が空になったとっくりを逆さに振って横倒しに置く場面がとてもさりげなくうっかりすると見逃すように演じられたかと思うと、しばらくして花嫁の父が自分の手元のとっくりを持って挨拶がてら注ぎに行くところ。祝辞のさなかにもともすれば最近の大空襲の話や広島に落ちた新爆弾
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