即興詩会(飛びいれ!火にいる夏の虫、編)1/ワタナベ
かう
EVE
最初で最後の
アオゾラ誤爆 [17:31:23]
冬のうちに悴んだ指先も
いまとなれば幻のようでした
あなたの狭い部屋のすみっこで
ねころがって集めたたくさんの景色も
うそのようでした
こんどはわたしの小さなてのひらで
芽吹く声だけがせかいを生かしている
テレビのなかでうごめくひとかげが
いつもよりやさしいのも、気のせいかな
街が明るくなるのも時間のうちで
さよならをいえなかったのは僕らの傷で
何度か舐めあってもたぶん消えない
夕べの空に浮かんだ星に
あなたの大きな願い事をひっかけて
飛ばしたでしょ
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