哀しみ皇子(6)/アマル・シャタカ
いただくために
サービスを提供するでしょう
あとのことはそれからです
皇子のように、哀しみを知ろうと、この哀しみ本線に乗ってくれるお客様のために」
売り子のお姉さんは、そういってしごとに戻っていった
今日は哀示美鳥の声も姿も見なかった
前に車掌さんが言っていたけど、昔、哀示美鳥はたくさん飛んでいて
それは美しい群れだったって
とうさん、かあさん、哀しみと悲しみは何が違うんだろう
哀しみが必要でなくなっているとするなら
ぼくは哀しみ皇子としてなにもできないのかな?
もうすぐ、次の駅だって
また手紙書くから
とにかく、ぼくは生きているからね
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