君の街まで桜色のバスに乗って〜2004年初夏〜/はじめ
遠くから手を振って笑顔の彼女がやって来た
僕と彼女は君の街でデートをした
夕方頃 彼女はホテルに行こうと言ってきた
彼女とは初めてだった
部屋の窓から見る君の眠る丘に沈む夕日は神秘的だった
彼女の方に振り向いた時 彼女はいなかった
翌朝 テレビで 彼女の乗ったバスが事故に巻き込まれたという
ニュースを見た
僕は彼女の町の病院へ行き 集中治療室の様子をガラス越しに見た
看護婦から意識不明の重体と聞かされた
僕はガラスに手をつきそのまま崩れていった
不確かな夏が僕を呼んでいた
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