考察/Tsu-Yo
 
ぐ隣にあるのかもしれない
けれど
どれだけ速度を上げたとしても
僕らはもうその場所へ
たどり着くことはできない


〈再び海辺にて〉
砂の上に描かれた
いくつもの設計図は
飛び立つこともなく消えていった
海の向こうで
誰かが蹴飛ばした波に
取り留めもないもない言葉たちが
呑み込まれていく
もはや
どんな神もいない三次元の水平線で
始まりと終わりが明滅している
少しずつ薄れていきながら
僕たちは、祈るかわりに思考する





  グループ"考察"
   Point(5)