無色の人  (プロローグ)/萌歌
 
 道行くところ、どこもかしこも見渡す限り、カップルがひしめく繁華街。
本気で愛し合っているのであろう人々や、遊び、はたまた援助交際まで。
特にカップルの種類は限定しないが、とりあえず発情したオスメスがべたついている。
そんな中を毎日毎日、ただただ無気力に、無機質な存在として規則的に歩行し続けているのが私である。

 真っ赤な情熱を背負った人、悲しみの青にくれている人、喜びの黄色が鮮やかな人。
そんな原色人に対して、いうなれば私は無色の人なのだろう。
無色の私にとって原色は鮮やか過ぎて眩しすぎて、いささか刺激が強すぎる。だからいつも避けて通る。私にとっては、すべて、異次元に等しいもの。


フィクションでしかなかったから
  グループ"無色の人"
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