29、炎 【ほのお】/雨宮 之人
 
燃える赤
のたうつ龍
たやすく消える命
背中合わせの 安心と不安

だから恐々(こわごわ) 手なずけて
太古から人は
ご機嫌を取りながら
仲良くも 儚く

迷い道の向こう
彼方から呼ぶ 光
暖かな手の ぬくもりを思い出し

紅(くれない)の向こう
心臓と 魂がある
揺らいで しかしながら 確かに在る
   グループ"字書きさんに100のお題"
   Point(3)