85、天井 【てんじょう】/雨宮 之人
 
体調を崩して(半分は仮病でもあった)
授業中の、保健室で
そのベッドから見上げた模様が好きだった
長方形を積み重ねてあって

ロボットの顔を想像して
胴体までは上手く作れなくて少し残念
自分の部屋のそれは少し
ありふれていて逆に不気味だったな

裏に鼠がいたりしてさ
駆けずり回って
音がするんだドカドカとさ

空は、どうやったって手では触れられないから
拳を突き上げたら穴が開きそうな(格闘ゲームのそれさ)
そんな低い天井が、僕のセカイの空だった
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