クロッカスのおしべの山あいにて/もしゅ
 
な鮮血をそこら中に撒き散らす。真っ赤に染まった木綿豆腐は食いつかれ咀嚼され、ついにうんこに食い尽くされ、真っ白な木綿豆腐はうんこと一緒になる。そのような過程を経て、初めておみなえしは生まれる。
 おみなえしスペシァルぼーふらカスタム。すべからくすべからく、すべからくすべからく。どよめき立ついそぎんちゃくの体内の溶接炉に割箸太郎左衛門ほうりなげ、銭形警部をほうりなげ、ぼうふらどもを放り投げ、引き裂き引き裂き引き裂き引き裂きすべてをチキチキの泉へと誘うミカエルの丁稚として、おみなえしは再就職する。派遣社員はもう終わり。これから正社員、丁稚オミナエシとして親方ミカエルの手下となる。
 
 クロッカスのおしべの、奥の、山あいに、ぼうふらどもは、きめ細やかな、せせらぎをもち沸く。
 あいかわらず。本日も、沸いているようでありました。


   グループ"■ 現代詩フォーラム詩集 2006 ■"
   Point(2)