くまちゃんと僕の三ヵ月の空白/士狼(銀)
焼き鳥でも手羽先でも何でもいいよ、鳥の話を。時々はCDを聴いて、あ、今、くりきんとんって鳴いた!ガビチョウだ!ってクイズを出し合ってさ。冷蔵庫にはまだトラツグミの死体が入ってて、ねぇ、だから、一緒に標本も作ろう。
くまちゃん
初めての二次会で、雰囲気に馴染めなくて、僕たち、隅の方でさ、大学生になる前の話をしたね。僕たちは将来の話をするのが苦手で、僕はお酒が飲めなくて、先輩からのコールに答えたのはくまちゃんだった。カシスオレンジで乾杯したね。
くまちゃん
みんな寂しいんだ。いつも何か寂しいんだ、僕たちは。寂しくても寂しいって言えなくなる年齢ってあるのかな。素直でいたいと思って、でもいられなくなるのは、年齢のせいなのかな。ねぇ、くまちゃん。わからないことが多すぎるよ。
会いたいよ、くまちゃん。
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