オーデュボンの目が映した、まるで日食のように昼間を暗くするリョコウバトのその大群にも、最後の一羽にも、わたしはもう二度と会えない。
会えない。
減少する熱帯雨林の隅のほうで誰の記憶にもどの記録にも残らず消えていく生物。名前がないということは、それはもしかしたら幸せなことに繋がったのかもしれない。
けれどどこにも繋がらないまま、どんなに足掻いても、
もう二度と会えないものたち。
走る列車からバイソンを撃ち殺すスポーツが屍ばかりを残して去っていった。
バイソンの頭骨が積み上げられた山で笑う記念撮影。白黒写真に映える、
骨の白さ。
人が殺して、
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