(R)/ふるる
さんは言いました。私たちもうお母さんもいないしお父さんもいないし、ほんとに果物やの床に潰れているようなさくらんぼのような二人だと思うの。にいさんは黙って私の髪を撫ぜて。どうしてと聞くのはもうやめましょう。答えはきっとここにはなくて、あのポスターの「R」はとても赤いけれども、描いた人だって決して悲しんで描いたわけではないでしょうし。また朝がくるのかしら。グラスに注がれた光るお水が私たちのところにも流れてくるのかしら。ああ、喉が渇いてしかたがないの。あの赤い「R」。私は喉の渇きを我慢して、冷え切った乳房をたぐりよせて、暖めるの。にいさんあなたの手で。「あの鳥は俺たちだ。罪にさいなまれる」ごつごつしてかたい手、それで冷たくて動かない荷物を運んだわね、今日も、明日も、運ぶのでしょう。
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