『バグダッド・カフェラッテ』/川村 透
開けたまま、アバラとアバラでキスを交わせば
二人のアバラはアギトとなって互いの内臓をぶりぶりと喰らい始める。
僕たちは嗚咽する
すべての涙を吐気に変えてしゃくりあげる、そしてとうとう
泥まみれの心臓を喉から産み落としてしまった
力尽きた僕たちはミルクの香りのする土くれとなるだろう
びくびくと赤いつがいの心臓はいびつにゆがんだ金魚となって
君の黒い髪をそっと背びれで梳かしてくれた。
でも、もう行っていいよ
僕たちのそばになんて、いなくていいんだ。
離れて。僕たちから離れて。飛びたまえ深く
ミルク色の霧を吸い込む
カフェラッテ、
バグダッド・カフェ
砂の雨
もう夜
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