アーカム・ハウスの詩の小部屋/佐々宝砂
私は、
地球から消えた。
――ないしょだ、ないしょ!
さて私は冷気の中に目覚め、
かぼそいフルートの響きに耳を澄ました。
もちろんあれは風なんかじゃない。
疑いなくフルートだ。
私はそれから書類に署名し、
ラヴェ・ケラフと力強い握手を交わし、
輝くトラペゾヘドロンを媒介に、
ナイアルラトホテップの姿を垣間見たが、
それ以上のことは、
あなたに教えるわけにいかない。
ないしょだ、ないしょ!
知りたかったら、
アーカム・ハウスの詩の小部屋においで。
銀色の円筒を持って待っている。
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