鳥籠/
暗闇れもん
気づいたら
マンションの一室に黒い鳥籠
口元にボールをくわえて目だけが自由
色々な穴から綺麗な手が現れては
触れて去っていく
頬を撫で
首筋を流れ
下に下に
スーツとワイシャツの切れ端だけが
世界と繋がっている
ネクタイが湿り気のある肌を這うように進み
指先の痺れが心地よく
ただの塊になりさがる
不自由な心地よさが繰り返し襲い
わたしから全てがこぼれていく
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グループ"壊した世界"
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