PIGSTY?/暗闇れもん
で!!」
「綾香は父さんが昔から絵を好きなことは知っているだろう?」
「うん!」
私は書斎に色々な画家の画集がお父さんの描く油絵と一緒にあったのを思い出して頷いた。
「母さんとは外国の美術館にある、一枚の絵の前で出会ったんだ」
お父さんは急に振り出した雨に少し嫌な顔をして、ワイパーを動かすと、ミラーで私を確認して話を続けた。
「それは、クレーという画家の金色の魚という絵だった。その絵を一目見たときに父さんは金色の魚の美しさに目を奪われたのと同時にその背景から孤独を感じたんだ。その絵は金色の魚から他の魚が離れていく様子が描かれているんだよ。父さんは絵の専門家ではないから解釈は間違っている
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