二月/
松本 涼
二月をはじめたばかりの空に私は宿る
人見知りの日差しはまだどこかぎこちない
手放した温もりを眺める視線と
手放された痛みを撫でる記憶
風は中途半端に冷たい
人気のない歩道橋の上の無機質な
静けさの下にも木霊するような囁き
私は輪郭を逃がしてゆく
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