伝えたい言葉を伝えるために/
ベンジャミン
置き換えてしまっていたのかもしれない
「早く帰ってきてね」
そのたった一言を受け止めることにさえ
心を使わなくなってしまっていたのかと
鋭く静かな夜の端っこで
「帰りたい」
と、もう一度呟きながら
確かに飛び交う見えない言葉たちが
星の瞬きのように儚く見えたとき
何にも置き換えるられることのない言葉を
ただまっすぐに伝えたいと思った
その方法をまだ
忘れてはいないのだと
前
次
グループ"タイトル長いー詩"
編
削
Point
(4)