十字架の空/千波 一也
 
する弱々しさと
格好悪いほど必死な姿は
無かったことになど
ならない

すべて、
すべてを認めることが
僕に守れる僕、だ

たやすくはない
ただひとりの
僕、だ

貫いて、
まっすぐ空を貫いて
僕は
君の気まぐれに
つまずいてばかり
だけど

相変わらず、
だけど

僕は
僕以外のものに
僕の知らない、あかるい夢のような僕に
なれそうな気がしている

知らないことが
やさしく思えるような
みえない僕に
なれそうな気がしている

互い違いの一直線は
実は
互い違いではないのだろう
きっと
懸命ならば、
同じことなのだろう

幾重にも
幾重にも
それぞれの信じる、一直線が
結ばれた空には
分かれ目などない

きわめて繊細に編まれた絹のように
穏やかな空だ、
今日も

頑なな
僕たちのうえに、
唯一無二の約束ごとのように








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