glass pumps/三架月 眞名子
 
キミの口許は

楽しいとか

幸せとか

夢みたいとか

そんな希望を垂れ流して

完璧な微笑みを浮かべていたけど

目だけは笑っていなかったね

本当にただの一度も笑わなかった

その淡いブルーの瞳は

ボクの実体を完璧に通り越して

背後にそびえたつ

名誉や

富や

地位といった

欲の塊に注がれていたこと

気付いていたよ

ボクはただのバカぢゃない

だけど

ボクは本当に愚かだから

それでも構わないと思ってしまった

例え飾りでも

付属品であったとしても

キミのとなりに位置していたい

その口許に揺れていたい

だから

キミが計画的に脱ぎ捨てていった

ガラスの靴を地図にして

キミを探しにいくよ

迎えにいくよ

ボクにかけられた妖精の魔法はどうやら

0時を過ぎても解けなかったみたいだ


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