無限/なかがわひろか
 
昨日久々に出会った無限は
疲れ切った顔をしていた
巨大な影を携えて
途切れ途切れの息でこう言った

歴史はどんどん積み重なるだろう?
例え世界が有限であったとしても
時間は永遠を作り出してしまうんだ

いつまでも終わることのない無限は
そう言ってまた途方に暮れた

ほらまた影が大きくなりやがった
重くて重くて敵わない
誰か代わってくれないか

そう言っている間に
また影は大きくなる

誰も代わりになろうなんて思わないさ
君は皆の憧れなんだ
有限の者には君は神よりも偉大なのさ

また大きくなった影を携えて
これ以上暮れようのない途方顔で

また今度

そう言って無限は去って行く

(「無限」)

  グループ"無限通り"
   Point(4)