君は眠りに向かう/銀猫
 



今し方まで

泳ぎ回ったシーツの海は

すっかり波立ち

闘うように繰り広げた時間を物語る



抱いたのは

きみのかたち

果たしたのは熱情



誰に告げるはずもない

暗黙のひとときに

ぼくらは

ただ押し黙り

波しぶきを浴び

後片付けを

やたら面倒臭がっている




きみは

そんなに真っ白くなっているけれど


ぼくは

まるで大事な仕事を

片付けた気分なんだ




眠りに向かうきみ

正気に返るぼく



いったいどちらが正解やら?



もうさっきとは

違うきみが

寝息をたてている



愛の下敷きになって



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