冬去しらさぎ/佐々宝砂
今日は風が強くて
ほとんどどうしていいかわからないくらいだけど
一年いちどのしらさぎの日
休んでるわけにはいかないから
カイとわたしとふたりして
言葉にならないもの抱えて出かける公会堂の庭
もうたくさんの人が集まっていて
準備は整ってるみたい
遅れてしまってすみませんと挨拶しながら
抱えてきたものをさしだす
村長さんがそろそろ始めるぞおと叫ぶ
どどんどん
火が放たれる
強い風のなかで
どどんどん
去年の村の
言葉にもならなかったどろどろが
どどんどん
燃えてゆく
もちろん延焼するとやばいから
きちんとバケツに水が用意してあるけど
いつもの年と同じよ
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